新聞もその話題性に興味を示した、アダルトビデオ業界と従軍慰安婦問題をリンクさせた異色作。
基本的にこの劇団の作品はどこか「恥ずかしい」リミッタが外れているところがあって、観るのはともかく「演る」のはちょっと…という感じがする、ある意味吹っ切れた芝居をする。
今回の作品は、台詞のみで言うとその極致であろう。
やはり「台詞のトチり」「噛み」が気になった。上演期間が3日で4公演しかないと考えると致命的な多さだ。
内容も、カツラギ参事官の立場が微妙で明確でなく、後から考えて「あぁそうか…」と分かる点や、藤本カントクや柏原一佐の真の主義(まぁおそらく「食い物」だろうが)も分かりづらい点など、脚本の甘さがあったように思う。
何が言いたいのかよく分からなかったというか。
しかし、ラストシーンが「全部持ってっちゃった」。
自分も健康な男子なのでアダルトビデオ(ビデオ?)は観る。
で、中には(単体女優モノの一部に)主演女優が男性監督からの出演動機などのインタヴュに答えるカットが挿し込まれた作品がある。
まぁ、大抵は嘘内容なんだろうが。
好き好んでAV(や風俗)で働く女性は多くないだろう(いないではないらしい)。
一女性としての人格を放棄しての“仕事”。彼女らはどんな気持ちでそのインタヴュに答えるのだろう?
ビデオを観る時、常に頭の片隅をよぎってしまう。
この芝居のラストシーン。
舞台上のひな壇には男性出演者5名が座り、カメラを持った女性出演者が「お名前は?」「何故AVに出ようと思ったのですか?」と彼らにインタヴュする。
立場の逆転。発想の転換。
これは強烈だった。この1カットだけでお金が取れる。
頭の中では理解していたつもりになっていた「女性を“商品”として扱う」“仕事”。
しかし、実際に演技として舞台上に具現化、それも立場を逆転させて具現化されるのには参った。
終盤までは、バルタン星人のハサミを出したり(よく出来てる)、ウルトラマンもどきを出したり、ぶっちゃけ「何したいねん?アホかこいつら」と感じていた。
が。
この1シーンで、それまでの低評価が覆された。
それだけの力がある。
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